ぶどう膜炎の話 その3 原田病について:浦島太郎は原田病だった?
投稿日:2017.09.06

浦島太郎の憂鬱:

「♪♪むかし、むかし、浦島は、助けた亀に連れられて、竜宮城に来てみれば、絵にも描けない美しさ、・・・・♪♪」といった歌も最近では、とんと歌うこともなくなってきたようです。でも、浦島太郎のお話しは、皆さん御存知のことと思います。しかし、考えてみると、かわいそうですね。せっかく亀を助けて、いいことをしたのに、最後には、ただの箱をもらい、おまけにその中に入っていた煙で、急に老人にさせられてしまうのですから。

ところが、このお話の中に、色々な事実がかくされているかもしれないのです。もらった空箱は、実はウミガメに連れていかれた琉球王国のとても貴重な、工芸品の箱だったのかもしれないそうです。そして、急に白髪のおじいさんになったのは、原田病という病気だったのかもしれないのです。この原田病は、日本人の眼科の先生の名前がついているように、日本をはじめとする東洋人に多い病気です。まずは感冒様の症状があり、続いて、ぶどう膜炎という眼内の炎症が生じ、視力が落ちます。そして、耳鳴り、難聴が生じ、聞こえにくくなります。頭痛も起こり、しばらくすると髪の毛やまゆ毛が白髪になり、皮膚も色素がなくなり白い斑状の変化がでてきます。つまり、放置しておくと、白髪のおじいさんができあがってしまうのです。

この原田病は、現在は、メラノサイト(色素細胞)に対する自己免疫疾患であると考えられています。そして、ぶどう膜炎を発症して、視力障害が早期に起こりますので、眼科で診断をして、主として眼科で治療することになり、遺伝子レベルでの病気の解析もすすめられています。ただ、頭痛が強く起こると、まずは脳外科や神経内科にいかれることもあるようです。見え方に異常があるときは眼科的検査もうけてみてください。治療も、副腎皮質ステロイド薬を使って、病気の勢いをおさえていきます。

もし、浦島太郎のお話しが、現代のことなら、すぐに治療をうけて、おじいさんになることもなく、お土産の箱を高く売って、楽しく暮らせたのかもしれませんね。